2016大沼遠征2
とりあえず、子供たちを二班に分けました。
出来得るならばひとところに並んで「お互いを意識しつつ」の、釣りにしてあげたかったのですが、とにかく大沼は国定公園ということもあり、木を切るなどもってのほかなので、釣り座をキープするのがとても難しいので仕方がないところです。
カイ・カナタ・レン・アラタの4名を浮島の上に座を構えてもらいました。
ゴウキ・ココミの二人はボートに乗せて道路に向かって竿を振るポイントに座を構えてもらいました。
前者は、浮島ということで、兎に角大人を寄せ付けない、何かを手伝おうとうとするも、近くによると沈み始めるからだったのです。
子供たちの体重でさえ、時間の経過とともに沈み始めて、彼らの釣りに対する集中力を削いでいきました・・・「あーっ!!」大人ならそんな怒声を上げたかもしれないほどのストレスを浮島は生み続けたのです・・・、が!!・・・。
他方ボート組は、このゴムボートを固定するべく、スギは奮闘しました。ウエーダー装備で何本もロープを巡らせて小1時間近くかけてなんとか固定することができました。
「ふーっ」そ、その時、「なんか来たー」「鯉だー」「鯉かー」からのーーーー
「へらでしょー」ひとつ隣を挟んだ次兄のカナタの上ずった声がユース下ワンドに響きわたったのです!!「マジかオイ、アラタ慎重になー」意外なほどに当の本人はずいぶんと落ち着いていたようですが、ウエーダーでそこを目指して湖面を割り進むスギは完全に大人としての自制を失っていました。
いくら急いでも手伝うことは件の浮島です、叶うことなどはないのであります。20歩ほど進んだ中間地点で、遠目ではあったものの魚の気配はそのやり取りを通して感じ取れました。とにかく竿の曲がりは尋常ではない、それが水面下で抗い・反転・懸命の抵抗を繰り広げている。しかしてアラタの竿さばきがそれの尋常ならざる抗いも反転も抵抗も、それらすべてを『柳に風』で、捌いていく・・・。40歩を進んで到着したその頃には、勝負はぼぼ決していました・・・。後は最難関の越えなければならないハードルがただ一つ・・・、なれどこのハードルは合わせ直後と並んで一番の高さになります、最初と最後の両極端ながら、相手が大きければ大きいほど難易度が上がることは共通なのです。「兎に角時間をかけて、タモは深く沈めて・・・」心配は無用でした。 ずいぶんと落ち着いています、所作には完全な落ち着きがあり平素の教えもしっかりと為されていました。「入ったー」本人はもとより、並びのJr諸君もそして40歩をおっとり刀で駆けつけたスギを含めた皆で、“それを掛けてから飲み続けていた息”を、ほっと湖面に向けて吐き出しました。多分浮島は3cmは浮いたはず。
先週も見たけど470はなんどみてもねー
「とりあえず陸(浮嶋だけどー)の上でフラシに入れて計測は後のお楽しみに」どうせ浮島の上で近づけないのだから・・・、何より次の一枚を狙って・・・。
「ゴウチャンが来たー」背中越しのうれしい声に即座には振りかえることが出来得ないほど、体の自由度はなくなってきていました、息せき切った行きを、今度も40歩、またまた引き返さなければならなくなったのです(でもやっぱりうれしいー!!)。ボート組のゴウキが竿を満月に撓らせています。 「ボートの二人は兎に角どっちかが掛けたら、残りの一人は当たりが出てても必ず竿をあげなさい」言い聞かせてあったそれはココミによってしっかりと実行されていました(うん偉いぞー)。 ゴウキに向かってまたまた泳ぐようにウエーディングしていきました、道中何度も転びそうになるものの、何とか踏みとどまりてはまたを繰り返した40歩・・・。これもアラタのそれにも負けず「でかい」 何とかタモにも入りました。
フラシに移し一安心(残念ながらこのヘラは後にフラシの取り付けが悪く水落バイバイキーンおそらく42~43ぐらいと思われます)し、達成感を堪能する間もなく次の1枚を求めてボート組の釣りは再開されました。「オレも来たー」今度はカナタが満月に竿を絞っています。しつこいようだがまたまた40歩であります。精根尽き果てるほどの疲労感と、何より水中に立ち続けていることでの四肢の冷えは尋常ではないのに、ここでも「でっけー」の一言が気持ちと体を持ち上げます。
「やばいっておれマジ震えてるし」
カナタのへらは遠目に見ても尺半級にみえたからだったのです。ここから、浮島組の竿が曲がり続けました、ワンドの一番奥に入り一人へら群れの中心をやや外した感があったカイも、”流石の実力”できっちりと型物を釣り上げました。
「小さく見える?」御冗談40.8cm(カイ)ですぞー
6人のメンバーで型を見ていないのは、浮島組のレンと、ボートのココミだけになりました。 あまりに両隣との差が出ていることからレンの釣りを遠目で観察すると、どうやらウキがあっていないように感じ、アドバイスをするとやはり大きく狂っていました。慌てて調整を済ませるも、この時すでに遅し、で好地合いは一気に崩れ始めており、かてて加えて雨風が強烈にたたきつける天候になっていったのです。あまりの大荒れで、ボート組の安全が怪しくなり、風裏に異動させることにしました、ここでも舟着けにはやや難儀しましたが、異動後程なくゴウキが写真のそれを掛けたのです。
水面下のヘラ薄らですが見えてますよねー(ゴウキ格闘中)
奥に見えるのが浮嶋組でーす「おーい」
で、こうなりました45.7cm尺半ですが何か。
写真にうっすらと水面下の巨べらが写りこんでいるのがわかるはずです。
レンとココミは最終版まで頑張りました。本当に頑張ったんです、が、流石にこの日の天気は厳しく、雨と風のダブルパンチで二人を含めた皆の集中力は昼前には限界になっていました。それでも紅一点にして最年少のココミは誰よりも最後まであきらめませんでした。残念ながらこの日はヘラの神様は微笑まなかったのですが、あえて彼女の頑張りを『根性』と結んで深く記憶の襞に刻んでおくことにします。近い将来、ここで大型を仕留めたときこの日頑張ったそれがあったからと彼女に伝えたいからです。全員がパンツまでびしょ濡れで迎えた最終日の釣り、さあーこれから検寸と写真撮影の始まりです。まずはこの日最大の47.0cmを釣り上げたのは、浮島組最ワンド出口よりのアラタ、
47.0cmすごい魚体です
第2位は46.4cmの浮島組出口3人目のカナタ、
カナタの3枚の尺半
第3位は異動後に釣り上げたボート組のゴウキ45.7cm
ゴウキの尺半45.7cm
第4位は、へら群れの中心から外れる不運に泣いたが実力はピカ一のカイ40.8cm
計測中の写真がないので再度登場40.8cm
残念カイとココミはノーヘラに沈みました。なおカナタが尺半3枚、ゴウキとアラタが1枚づつで、この日この小さなワンドで5枚の尺半が出たことになります。そのほかでも40Upということなら、カイ、ゴウキ、カナタも釣り上げており、新べらクラブJrとしては記録的な釣りになったのです。なお引率の大人諸君は、藤田氏がかろうじて43をゲットしたもののスギをはじめ何とも情けない遠征になってしまいました。最後の写真は、釣れなかったココミとレンには借り物でのそれにて、全員の『あの日』の思い出に手持ち写真を撮ったものです。
この笑顔がこの日の釣りがいかに楽しかったのかを物語ってませんかー
よく見ていただくと、ココミのヘラ鮒は黒子が手持ちしています、これは「さなか無理―」のココミならではなのですが、逆に考えると「さかな無理―」の小学5年生の女の子でも、へら鮒釣りはできることを雄弁に物語っています。
このブログをご覧になって興味をもたれた方々は是非連絡してほしいのです。「釣らせます」絶対に!!何よりJrは1年もあればすぐに釣ります。47.0cmを釣り上げたこの子どもたちは現在中学1年生、ゴウキ・カナタ・アラタが小4から、レンとカイは5年生から、ココミは小3から竿も振れないところから始めて、今日に至っているのです。
さてさて記念写真に写った皆のおパンツが実はびしょびしょだったことは前述の通り、「このまま車でサッポロ-!!」は無理があります。
ということでまずは温泉に直行するのですが、『序・破・急』、破の段はここまでとしておきます。釣りばかりじゃないJrの活動、次回『おれたち風呂入るしー、腹も減ったしー、写真も撮るしー』をお待ちくださいませー。